わたしの終わり

覚醒と悟りの言葉

【時系列 花岡修平】蟻の触角

かつてのわたしは、常に独り言をつぶやく口を頭に埋め込んでいた。

そうやって、これは土だ、土くれだと、ブツブツ喋り続けていた。

ある日、頭の口を塞いでいると、その口が、蟻の触角に変わった。

そして今は、土くれの僅かな粒子の隙間にある蜜を、触角で注意深く探索している。

この希少な蜜の味を、どれほどの人が味わっているのだろう。

この隙間の奥には、そのような蜜で満ちているのを知った人は、どれぐらい居るのだろう。

 

 

2012-12-23

 

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