【時系列 花岡修平】「シュリ・ラーマクリシュナ」純粋な幼子へ
わたしには静寂に入るというより、静寂がわたしを包み込むように思える。
そこに入ろうと思う事もなく、突然そこに呼ばれ、わたしは無抵抗にそれに覆われ、委ね、胸は心地よい振動と共に喜びで満たされる。
涙は次から次と溢れて止む事が無く、「出来る事ならこのまま、自分を終わりたい」と思ってしまう。
そうして見えるこの世は、なんと美しい事か。
あらゆるものが、神で満たされている。
その事が、とてもとても有難く、なにものも神にはかなわないと言い切れる。
シュリ・ラーマクリシュナ。
あなたは形ある神を観ようとした。
形ある世界は、実体ではない。
あなたが愛したナレンドラ(ヴィヴェーカナンダ)は、その事を言った。
あなたのその弟子は、毎日あなたを想っては、自分が浸る形無き神との矛盾に悩みながら、師であるあなたの信仰に逆らうような罪悪感を感じていたのかも知れない。
マーハー・マーヤ
世の全てを創造する母。
世の全てを終わらせる母。
ラーマクリシュナは、形ある美しい女神として彼女を観ようと懇願した。
この安らぎ、この至福の中に、取り込められてトランスしていながらも。
それほどまでに、美しさの根源を観たかったのでしょうか。
わたしは観なくてもいい。
これがわかっていて、そしてわかり続けられれば、そんな贅沢は言わない。
わかる事が出来て、ここに浸れれば、帰って来れればそれでいい。
ここは、神の中だ。
形などどうでもいいし、それは実体などなく、ただ幻であり、マーヤの愛の具現である事を知っている。
あなたは知っていながら、形としても観たかったのでしょう。
あなたは幼子のように、純粋で嘘をつけない。
純粋な者の、計り知れない彼女への愛が、そうさせたのでしょう。
純粋な欲張り。
さすがにわたしは、そこまで純粋ではないようだ。
これで既に満足してしまっている。
これだけでもう、神と和解してしまっている。
神に呼ばれる喜びに、何度もため息をつきながら、何度も涙を拭きながら、嗚呼、嗚呼とうめきながら、わたしは満足している。
なにもかもが美しい。
わたしは、わたしなどない。
ただこれでしかない。
今日の雪は、なんと美しいのだろう。
神の分子が降りてくる。
ここは、なんて居心地がいいのだろう。
終われたらいいのに。
このまま。
2014-01-12